2006年度2学期
政治学基礎演習:
「グローバル化の政治経済学」
(新潟大学法学部)


シラバス    論点整理メモ



[概要]

 現代の世界は、グローバル化を抜きには理解できなくなっている。国境を越えた諸問題が国内政治や市民生活に大きな影響を及ぼすようになって久しい。従来の国民国家を基礎にした政治学の枠組みは、急速に古くなっている。その一方で、グローバル化をめぐっては、賛否両方の立場で極端な議論が横行し、冷静な認識を得ることは難しい。
 このゼミでは、この問題にかんする最も定評あるスタンダードなテクストを講読することで、現代の国際政治経済にたいする学問的な理解を得ることを目指す。

[到達目標]

(1)レジュメの書き方、発表の仕方、学術的な討論の仕方を身に着けること。
(2)現代の国際政治経済の基本的な構造と問題点を理解すること。

[履修上の注意]

(1)参加者は、毎回テクストを読み、その構造をA41枚のレジュメにまとめる。
(2)授業開始前日までに、メイリングリストに自分のレジュメを投稿する。
(3)発表者は、担当となる章の詳しいレジュメを作成し、専門用語の意味を調べておく。
(4)発表者と司会者は、参加者のレジュメを読んだ上で、論点を打ち合わせしておく。

[授業計画]

ギルピン『グローバル資本主義』(全十一章)を一章ずつ講読する。ギルピン教授は国際政治経済学の代表的研究者であり、この本はグローバル化にかんする最も優れたテクストの一つとされている。読解にあたって必要となる国際政治学や経済学の背景知識は、授業の中で補完する。また授業の途中で2回に分けて、グローバル化に関連する具体的なトピックを扱った学生発表をはさみたい。

(1)イントロダクション
(2)第1章 資本主義の第二の隆盛期
(3)第2章 冷戦期の国際経済
(4)第3章 不安定な貿易システム
(5)第4章 不安定な通貨システム
(6)第5章 グローバルな金融の脆弱性
(7)学生発表@
(8)第6章 多国籍企業の時代
(9)第7章 欧州地域統合
(10)第8章 米国の経済戦略
(11)第9章 アジアの地域主義
(12)学生発表A
(13)第10章 グローバリゼーションとそれに対する不満
(14)第11章 グローバル経済の管理

[成績評価の方法と基準]

出席、発表、議論への参加の三点による絶対評価。三つとも満たせばGP3以上とする。

[使用テキスト]

ロバート・ギルピン『グローバル資本主義―危機か繁栄か』(東洋経済新報社、2001年)

[参考文献]

野林・大芝・納家・山田・長尾『(新版)国際政治経済学・入門』有斐閣アルマ、2003年